都立中受検|出題の全体像

はじめに

都立中『受検』とは

なぜ『受検』と書くかご存知でしょうか。

この記事を読まれている方は、もう既にご存知の方が多いかもしれません。ただ、知らない方もいらっしゃると思うので、念のために記載しておこうと思います。

都立中受検では、”受検”と書き、”受験”とは書きません。これは、普通の入試では「試験を受ける」から”受験”なのです。ところが都立中入試では、「適性検査を受ける」ため”受検”なのです。

どんな問題が出るのか

科目は大きく分けて2種類です。

作文
課題文等を読んで数百字の作文を記載する

適性検査
計算したり、分析したりして、答えを求めたり記述したりする

学校によっては、作文も『適性検査』として出題している場合があります。まぁでも、事実上、「作文と適性検査が出題される」と言ってしまって問題はないですね。

都立中受検はお得?

もし子供に受検させる気がないとしても、『都立中受検対策』は、絶対にさせておいた方がお得だと思います。

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私立中等の受験対策は、「知識の詰め込みで将来役に立たない」と揶揄されることが多いですね。

しかし、都立中受検では、大学受験や就職活動に近い課題が多く出題されます。また、中学・高校での生活に直結する、心構えや勉強方法などを、作文や資料の読み取りなどを通して、十分に学ぶことができます。

ですから、都立中受検に関しては、私立型の詰め込み学習とは異なり、取り組んでおくメリットが大きいのです。(ただし、算数や理科など、私立的な知識等の習得が不要というわけではありません)

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もちろん、合格するに越したことはありません。私たちもそのために力を尽くしますし、本人が真剣にそう思っていなければ、頑張りぬくことなんてできません。

しかし、仮に合格できなくても、真剣に取り組んだ子供に残されるものがかなり大きい、それが都立中受検なのです。

都立中の出題趣旨

出題の基本方針(2018年度版)

作文の出題趣旨
  • 与えられた題材の中から課題を見付け、情報を整理し、自分の考えや意見を正しく表現し、的確に文章にまとめる力をみる。(桜修館中)
  • 与えられた文章等を的確に分析・考察するとともに、課題に対する考えや意見を明確かつ
    論理的に表現する力をみる。(南多摩中)

上記のように、書かれています。他の学校でも、概ね似たようなものです。つまり、作文を書くにあたっては、以下の3つに、順序良く取り組まなければならないのです。

  • 与えられた情報から課題を見つける
  • 情報を分析して自分の考えを整理する
  • 的確(論理的)に表現する
適性検査の出題趣旨
  • 資料から情報を読み取り、課題に対して思考・判断する力、論理的に考察・処理する力、的確に表現する力などをみる。

全国の公立中高一貫校において、同じような趣旨で出題されています。一部の学校では、問題自体が共通になっている場合もあります。

学校ごとに、ある程度の傾向があります。志望校の類題については、どんなアプローチで出されても、十分に対応できるようになっておかなければなりません。

東京都立白鷗中(平成29年度)出題方針<平成29年度白鷗中・出題の基本方針より>

作文の全体像

作文の出題分野の分け方は諸説あると思いますが、私は以下のように分類しています。

学習論 コミュニケーション論 読書論
言語論 認識・責任論 社会・文化論
目標論 広告・レポート 環境・その他

これは、『全国公立中高一貫校過去問集』について、生徒がテーマ学習をしやすくなるよう、便宜上作った分類です。(私は指導上この用語を使いますが、学習塾などでは通用しませんので、ご注意ください)

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どのテーマが難しい・簡単というのは、一概には言えません。難易度は、課題文の難易度で調整することが多いです。

ただ、問題の出しやすさ、バリエーションの多さなどは、テーマごとに大きく異なります。ですから、取り組みやすいテーマというのはあります。

・・・

例えば目標論は、「中学・高校生活で取り組みたいこと」「将来の夢」が中心になります。変わった問題・オリジナリティのある問題は出しづらいです。そのため、対策はしておきやすいと言えるでしょう。

適性検査の全体像

定番は以下の6種類です。もちろん、簡単に対策されないように、この枠に収まらない問題も出題されています。

立体図形

多くの学校で一問は出題されています。面積・体積を計算させたり、頂点や断面図から考えさせたりという問題が中心です。

ただ、学校によっては、ルールの確認や場合分けなど、非常に高度な判断を要求する場合もあります。早い段階からかなり得意にしておかなければ、難問には対応できません。

<平成28年度武蔵中より>

割合計算

表やグラフを読み取り、それについて割合を計算させる出題は、ほぼ必須となっています。

単純な計算問題のような出題も多々あります。しかし、単位に気を付けなければならなかったり、データを正確に抽出しなければならなかったりと、かなり慣れていなければ解けないような問題も出題されます。難易度は様々です。

<平成28年度千代田区立九段中より>

規則性

数字の並びなどから共通点を探し出して、規則の中身を記述したり、規則通りに進んだ時の結果を計算・分析したりする問題です。

中学受験的なオーソドックスな順列の問題なども出題されますが、試合の勝敗を分析したり、プログラムについて考えさせるような出題もあります。難易度は様々です。


<平成29年度三鷹中より>

スケジュール・パズル・場合の数等

基本的な発想は、試行錯誤する力を問う出題です。

一時期多かったのは、旅程を何種類か作って、それぞれの料金を比べるような問題です。ただ、この形式は、対策されるとワンパターンになるということもあって、最近は減っているように思います。

代わりに、絵柄のパターンを確認させる問題や、図形を操作する高度な問題も出題されています。

これらの出題で大切なのは、「まずは試しにやってみて、ある程度の法則性を確認する」ということです。


<平成29年度小石川中より>

理科系

理系能力は、『都立中』が上位国立大学合格者数を増やす目的で設置されている以上、必須の能力です。そのため、理系の知識・理解を問う問題が通常出題されます。

テーマは様々です。よく見るように感じるのは、植物に関する問題と、水溶液等に関する問題、力学に関する問題ですね。

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植物の成長に関する問題は、植物の生長観察に関する実験などを中心に、変化や比較について記述をさせる問題が多い印象です。

水溶液等は、水溶液を混ぜた時の変化について記述させたり、濃度の計算をさせたりという問題が複合的に出題されている印象です。

力学については、てこ・てんびんや、物体の運動について、どうなるかの予測と計算問題が一緒に出題されている印象です。

<平成29年度大泉中より>

資料読み取り

環境問題や貿易摩擦、食糧問題など、社会問題を中心に、『日本国勢図絵』などから表・グラフが与えられ、それについての分析を記述させられる問題です。

サービス問題から、レポートをするような高度な分析まで、難易度も出題傾向も様々です。

記述の仕方も訓練しておくことが必須です。少しでも多くの過去問(良問)に触れ、引き出しを増やしておかなければなりません。


<平成28年度小石川中より>

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