基礎講座|憲法|人権

この記事の使い方

ポイントになる部分は、クリックすると本文が出てくるようになっています。

その本文の中身が想像できるようであれば、その部分はきちんと理解しているということです。

全ての『ポイント』について理解するまで、丁寧に読んでみてください。

なお、この記事は、随時書き足していく形式を取ります。よかったら、時々アクセスしてみてください。


人権の総論

憲法が定めている最も大切なものが、『人権』です。

『人権』には3つの性質があると言われています。

人権の3つの性質
  • 生まれながらにして持っている
  • 『公権力』から侵害されない
  • 誰でも持っている

この3種類を、『固有性』『不可侵性』『普遍性』と呼んでいます。

また、『人権』は、大きく4つ中身に分類されて理解されています。

人権の4つの中身
  • 自由権
  • 社会権
  • 受益権
  • 参政権

なお、『自由権』とは「自由にさせてもらう権利」であり、『社会権』とは「権力に請求する権利」というイメージでいればいいと思います。

自由権の3つの分類
  • 精神的自由
    • 思想良心の自由(19条)
    • 信教の自由(20条)
    • 表現の自由(21条)
    • 学問の自由(23条)
  • 経済的自由
    • 職業選択・居住移転の自由(22条)
    • 財産権(29条)
  • 人身の自由
    • 奴隷的拘束からの自由(18条)
    • 適正手続(31条)

なお、こんな分類を最初化rあ暗記してもしょうがないです。ポイントだけ掴んで、短答式の問題をたくさん解けば、自然と覚えますし、ここでは細かい内容は紹介しないでおきます。

ただし、資格試験などを受ける場合には、名前と条文番号が自然に出てくるぐらいでなければ、合格できないと思います。

自由権以外の人権
  • 社会権
    • 生存権(25条)
    • 教育を受ける権利(26条)
    • 勤労の権利(27条)
    • 労働基本権(28条)
  •  受益権
    • 請願権(16条)
    • 国家賠償請求権(17条)
    • 裁判を受ける権利(32条)
    • 刑事補償請求権(40条)
  • 参政権
    • 選挙権・被選挙権(15条)

なお、社会権については、資格試験などで出題されやすいものです。たった4つですから、最初に覚えてもいいかもしれません。

人権は必ず保障される?

「人権は絶対に保障されるか」というと、答えはNOです。

一番想像しやすいのは、誰かが『知りたい』と思ったものについて、国に情報開示を要求する権利が認められていますが、だからといって、必ず開示してもらえるわけではありません。

誰かの『知られたくない』という権利もありますから、全部を認めるわけにはいきません。

そこで、人権同士がぶつかった時に、どう調整するかについて、考える必要が出てきます。

人権同士がぶつかった時に、どう調整するか

「どう調整するか」と言っても、個人で話し合って決まったことには、国は口出しをしません。

しかし、個人の話し合いで決まらなかったら、通常は『裁判』が為されることになります。

ここで検討される『調整』は、裁判での話です。

具体的には、ある法律があって、それに基づいて行動した人がいたとします。

それで自分の権利が妨げられた人が、「この法律は、憲法違反(=人権侵害)じゃないか!」と訴えます。

それについて、裁判所が、「この法律は本当に憲法違反なのか」、審査します。

裁判所の考え方は、以下の2つの考え方に基づいているとされています。

二重の基準

精神的自由は、「どういう考えを持っているか」という話です。

これを国が、「国の考えで自由に制限できる」となると、どこかの国のような独裁国家になってしまいます。

それを避けるために、『厳しく判断』することになります。

一方の経済的自由です。

これだってもちろん、「国の考えで自由に制限できる」とはなりません。

しかし、例えば、「水害を減らすためにここの土地を強制的に買収して施設を作る」というような場合に、個人が「いや、俺の権利だ!」と主張すれば、制作は一向に進まないことになります。

こういう場合に、個人の権利がある程度制限されてもしょうがない場合はあります。

そのため、『精神的自由に比べれば緩やかに判断』することになります。

この2つの基準が、『二重の基準』と言われています。

比較衡量

裁判所は、主に、「どういう人権とどういう人権がぶつかっているか」「得られる利益と失われる利益はどうか」で判断しています。

当たり前のことのように聞こえるかもしれませんが、とりあえず、この考え方を、『比較衡量』と呼んでいます。

漢字には注意です。『衡量』であって、『考量』『較量』ではありません。

なお、学説では、いろいろな基準が主張されています。

最も著名(だと思う…)なものが、『LRAの基準』です。

知っていて損はないと思うので、紹介しておきます。

LRAの基準

『LRA』というのは、『Less Restrictive Alternatives』の略語です。

日本語に訳すと、『より制限的でない他の選びうる手段』という訳になります。

人権を制限して、ある政策上の目的を達成したいとします。

考えた制限の方法について、より人権を制限しない方法が存在しない場合には、その制限の仕方で合憲とする考え方です。

人権制限を学ぶ大切な視点

人権制限について学ぶときに、大切な視点があります。

重要なのは、『最高裁判所』が何を重視し、どう判断したかということです。

試験では、どんなに論理的に自分の意見を論じようとも、正解にはなりません。

試験では、現在の憲法理論及び実務に則って正しく学んでいるか、正しく処理できるかということを見ているのです。

それでは、どんな人権制限がなされているか、見ていきましょう。

未成年者の人権の制限

未成年者については、成年と比べたら、判断力が劣る場面が少なくありません。

また、親としても、子供が何でもガンガン契約してきてしまったら、さすがに困ると思います。

そのため、未成年者が何か大きな契約をする場合、保護者の承諾が必要だったりと、様々な形で『人権制限』が定められています。

まず一番は、憲法上、選挙権・被選挙権は未成年には与えられません。

また、分かりやすいところで言えば、飲酒・喫煙も禁止されていますし、一定年齢以下の場合、結婚が認められていなかったりします。

実際に争われた例を見ていきましょう。

パーマ事件

ある学校(私立高校)では、校則で『パーマ禁止』が定められていました。

それに反してパーマをしてきた生徒に対し、退学するよう勧告しました。

これが、憲法違反なのではないか、裁判所で争われました。

判決文

原審の適法に確定した事実によれば、(一) 修徳高校は、清潔かつ質素で流行を追うことなく華美に流されない態度を保持することを教育方針とし、それを具体化するものの一つとして校則を定めている、(二) 修徳高校が、本件校則により、運転免許の取得につき、一定の時期以降で、かつ、学校に届け出た場合にのみ教習の受講及び免許の取得を認めることとしているのは、交通事故から生徒の生命身体を守り、非行化を防止し、もって勉学に専念する時間を確保するためである、(三) 同様に、パーマをかけることを禁止しているのも、高校生にふさわしい髪型を維持し、非行を防止するためである、というのであるから、本件校則は社会通念上不合理なものとはいえず、生徒に対してその遵守を求める本件校則は、民法一条、九〇条に違反するものではない。

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